

最近、なにかと世間を騒がせている"M&A"。ニュースなどのメディアは『 M&A=敵対的買収 』かのごとく伝えていますが、それは"M&A"のひとつの側面に過ぎません。本書は"M&A"を通して、企業と人とお金の在り方を捉え、それらの意味を改めて見つめ直す、著者のいうところの”ゆるいストーリー”仕立ての小説です。
しかし、”ゆるい”からといって内容も希薄かというと、そうではなく、むしろ非常に濃厚で考えさせられるものになっています。本書では"M&A"を『マネー』よりも『人』に焦点を合わせ描いているので、"M&A"に対するイメージの裏側にある人の喜びと悲しみを感じることがきます。『マネーゲーム』の道具として扱われる『人』の悲しさと、新たな企業価値を生み出す喜び・・、そんな"M&A"によって生じる、いくつもの感情を”ゆるいストーリー”(笑) で描いています。
もちろん、”TOB”や”新株予約権”、”ポイズンピル” ”クラウンジュエル” ”ホワイトナイト”などの"M&A"関連用語も物語中にでてきますが、それらもわかりやすく説明されているので、下手にかしこく書いてある"M&A"テキストを買うよりは、全然役に立つと思います。
"M&A"にたいするイメージが大きく変わる一冊です。ぜひ一度、手にとってみてください。 → アマゾンで 人生ゲーム~ある朝ぼくの会社がなくなった 中川 淳一郎 (著) のレビューをみる